2025年8月、多くのファンに衝撃が走りました。大人気トレーディングカードゲーム(TCG)である「ONE PIECEカードゲーム」の一部新商品について、発売元であるバンダイが販売の中止および延期を発表したのです。
「楽しみにしていたのに、なぜ?」
「やっとポケカ問題が落ち着いたと思ったのに…」
そんな声が多く聞かれます。実はこの問題、数年前から続くポケモンカード(ポケカ)の人気過熱問題と深く繋がっています。
突然の発表「ワンピースカードゲーム」販売中止へ
今回、マクドナルド公式サイトで発表されたのは、ハッピーセットのキャンペーンの実施を見送りです。
公式に特に理由は言及されておりません。
しかし、この背景には、単なる生産トラブルなどでは片付けられない、深刻な問題が隠されています。その問題を理解する鍵となるのが、数年前から社会問題化している「ポケモンカード」の存在です。
すべてはポケカから始まった?異常な人気過熱と事件
ここ数年、ポケモンカードは空前のブームを迎えました。その人気は凄まじく、本来のTCGファンだけでなく、投資や転売目的の層が市場に殺到。その結果、様々な問題が噴出しました。
悪質な転売と買い占め
新商品が発売されるたびに、店舗には長蛇の列ができ、その多くが転売目的の業者でした。
彼らによる買い占めで、本当に欲しい子どもたちやプレイヤーの手にカードが渡らない状況が続きました。フリマサイトでは、定価の何十倍もの価格で取引されることも珍しくありませんでした。
公式ニュースでも
・購入数のより厳格な制限について
・フリマアプリ運営事業者様との継続的な協議について
が発表されていました。
大量の商品廃棄
また、転売以外にも問題が起きていました。
おまけのカードだけを抜き取り、放置された商品が山積みになっていました。SNSでは「カードだけ抜き取って大量廃棄、もったいない!」「大量のフードロスが起きている。買った物は責任を持って食べてほしい」など、フードロスではないかという声が殺到しました。
大量のポテトやバーガーが捨てられ…ポケモンカードが抜かれたマクドナルドのハッピーセットが廃棄され“路上無料配布”も|FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/articles/-/915322
SNSでもこのような声がたくさん上がっていました。
ニュース観てて民泊とかにポケカ大量に処分されてるの観てうわぁー勿体無すぎるw
— 雪乃@療養中 (@SAONewWorld1230) August 12, 2025
しかもカードも殆ど捨てられてるしw
後転売目的でマクド周回手伝ってるの興味ない日本人だしw😭 pic.twitter.com/mJ0UFdKwYW
マクドナルドプロモ大量にあるから下がると思いきやこの値段かぁ〜😅
— レシ@コレク◯ー (@resigon_tf) August 18, 2025
流石に今回はスルーするかな…..
そもそもマクドは年1行くか行かないかで食べないから仕方ない。
それよりもメルカリの左上の⚡️マークが消えなくて地味にうざいwww#ポケカ pic.twitter.com/6IG9R0aw6U
さらに21日のニュースで消費者庁からフードロス削減ができるよう、販売方法を改善するよう要望があったことも明らかになった。
消費者庁の堀井奈津子長官は21日、食品ロスにつながらないよう販売方法の改善を同社に要望したと明らかにした。
消費者庁、マクドナルドに販売方法改善要望 – ライブドアニュース
窃盗・強盗事件の多発
カードの資産価値が異常に高騰した結果、カードショップを狙った窃盗や、個人間での強盗事件まで発生するようになりました。
このような事件が多発したことで、TCGは単なる「おもちゃ」や「ゲーム」ではなく、「危険を伴う高価な資産」という側面を持つようになってしまったのです。
メーカーと販売店の苦悩、そして苦渋の決断
もちろん、メーカーや販売店も手をこまねいていたわけではありません。
- 抽選販売や受注生産の導入
- 購入時の個数制限
- シュリンク(外装フィルム)の撤去
など、転売対策のために様々な工夫を凝らしてきました。しかし、それでも過熱する市場を完全にコントロールすることは困難でした。
こうしたポケモンカードでの苦い経験と教訓が、今回のワンピースカードの販売中止という判断に繋がったと考えられます。人気が急上昇しているワンピースカードで同じ轍を踏まないために、一度立ち止まり、安全な流通体制を再構築する必要があるのではないでしょうか。
つまり、今回の販売中止は、プレイヤーや店舗の安全を守り、市場を正常化させるための苦渋の決断だったと言えるでしょう。
まとめ:ファンが本当にすべきこと
一連のトレカ問題の根底にあるのは、行き過ぎた投機熱と転売問題です。カードが純粋なゲームの道具ではなく、お金儲けの手段として見られるようになったことで、多くの悲劇が生まれました。
今回のワンピースカード販売中止は、私たちファンにとっても、TCGとの向き合い方を改めて考える良い機会かもしれません。
- 冷静な購買行動を心がける
- 高額転売品には手を出さない
- プレイヤー同士のコミュニティを大切にする
私たち一人ひとりがこうした意識を持つことが、市場を健全化し、大好きなTCG文化を守ることに繋がるはずです。メーカーには、誰もが安心して楽しめるような販売方法の確立を期待しつつ、私たちファンも賢明な行動を心がけていきましょう。