【徹底解説】yousti(小林由依)の作詞の原点とは?櫻坂46の支柱から詩人への軌跡

櫻坂46小林由依さんが、yousti(ユースティー)という名でソロアーティストとして新たな一歩を踏み出しました。

グループの「精神的支柱」とまで言われた彼女が、なぜ今、自らの言葉で歌を紡ぐ道を選んだのでしょうか。

この記事では、欅坂46・櫻坂46での約8年半にわたる活動が、youstiとしての作詞活動にどう繋がっているのか、その軌跡を深く掘り下げていきます。

  • 小林由依のアイドル時代の功績を知りたい
  • youstiとしての音楽性に興味がある
  • 彼女の作詞の背景にある想いを知りたい

そんなあなたは、ぜひ最後までお付き合いください!

目次

櫻坂46の「精神的支柱」- 表現者・小林由依の8年半

youstiの芸術性を理解するためには、まず櫻坂46(旧・欅坂46)時代に彼女がどのような存在だったかを知る必要があります。この期間に培われたすべてが、現在の彼女の礎となっているのです。

パフォーマンスで見せた「埼玉の狂犬」という二面性

ステージ上の小林由依さんは、ファンの間で「埼玉の狂犬」と呼ばれるほど、激しく魂を揺さぶるパフォーマンスで知られていました。

欅坂46や櫻坂46が表現する、社会への反骨精神や内面の葛藤。

その複雑な世界観を、彼女は全身全霊で体現するグループの中心人物でした。特に彼女のダンスは、単に振付をこなすのではなく、楽曲の物語を深く解釈し、感情を増幅させて観る者に届ける、まさに「表現」そのものでした。

しかし、ステージを降りると一転、物静かで控えめな姿を見せます。

この激しい表現者としての顔と、内省的な個人の顔という二面性こそが、彼女の人間的な魅力の源泉でした。

ファッションにおいても突出しており、衣服そのものが彼女の「表現」となっていて、メンバーからもおしゃれだと高い評価を受けていました。

引用元:欅坂46 OFFICIAL BLOG

アイドルとして求められる役割を完璧にこなしながら、その内側には繊細な感性を秘めている。だからこそ、彼女のパフォーマンスは常に多層的で、私たちの心を掴んで離さなかったのでしょう。

グループを導いた「精神的支柱」という強さの裏側

キャリアを重ねる中で、小林由依さんは単なる人気メンバーではなく、グループの「精神的支柱」と広く認識されるようになります。

特に、欅坂46から櫻坂46へと改名する激動の時期、その役割は象徴的でした。先行きが見えない不安の中、彼女は告知映像のナレーションを務め、「新しい坂を駆け上がろう。私たちは、私たちらしく、自由に」と力強く宣言。

その声は、揺れるグループとファンにとって、確かな道標となりました。

また、欅坂46のドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実  Documentary of KEYAKIZAKA46』は先行きが見えない時期の不安や葛藤がしっかりと描かれている映画で、その映画についてもブログでこのように語られています。

映画を見て、苦しい思いにさせてしまうこともあるかもしれませんが、そこで終わりではなくて、

 

その思いも踏まえて進んでいく私たちのこれからを、他人のレンズを通してではなく、自分の目でちゃんと見ていて欲しいなと思います

引用元:欅坂46 OFFICIAL BLOG

この言葉からも彼女がいかに強く、まっすぐ自分たちのグループを見ていたのかを感じることができます。

しかし、「支柱」として常に強くあらねばならないという役割は、計り知れないプレッシャーを伴います。2021年9月に発表された活動休止は、その重圧が心身に影響を及ぼした結果だったのかもしれません。

この「精神的支柱」としての経験が、皮肉にも後のyoustiとしての創作活動に決定的な影響を与えます。

常に強さを求められ、弱さを見せることが許されなかった経験が、ありのままの弱さや不完全さを受け入れるという、youstiの作詞における核心的なテーマを生み出す土壌となったのです。

音楽的才能の萌芽「ゆいちゃんず」

欅坂46のクールなイメージとは対照的に、彼女の音楽的才能を垣間見せたのが、同期の今泉佑唯さんとのアコースティックギターデュオ「ゆいちゃんず」でした。

フォークソングを彷彿とさせる心地よいハーモニーは絶大な人気を博し、彼女が楽器を奏で、自らの声で歌を届けるミュージシャンとしてのポテンシャルを秘めていることを示しました。

幼少期からピアノやサックス、ギターに親しんできた彼女の音楽的素養が、初めてファンの前で結実したこの活動は、後のyoustiとしてのシンガーソングライター的なスタイルの原点と言えるでしょう。

「yousti」誕生秘話 – 空白期間が生んだ創作への渇望

卒業からソロデビューまでの期間は、単なる休息ではありませんでした。

小林由依が一度表現の世界から距離を置き、自らの内面と深く対話した、極めて重要な「幕間」だったのです。

「もったいない」から始まった新たな挑戦

卒業後、約8年半にわたり生活の中心だった歌とダンスが、彼女の日常から「パタッとやらなくなった」時期がありました。その空白を、彼女は「寂しい」「もったいない」と感じたと言います。

この感覚こそが、彼女を新たな創作へと突き動かした根源的な動機でした。

誰かに与えられた役割を演じるのではなく、自分自身の内側から湧き上がる何かを形にしたい。その純粋な創作意欲が、youstiとしての活動に繋がっていきます。

しかし、その決意は平坦ではなく、「いや、無理かな」という迷いも抱えていたそうです。最終的に彼女を動かしたのは、表現を失ったことへの寂しさと、それを埋めたいという切実な渇望でした。

なぜ「セルフプロデュース」なのか?表現者から創造主へ

youstiとしての活動で最も重要な点は、それが「セルフプロデュース」であることです。

グループ時代、彼女の役割は80~90%完成された作品を、最終的な表現者として100%以上に昇華させることでした。しかしソロ活動では、コンセプト立案から楽曲制作、ビジュアル表現まで、すべてを自ら構築する「創造主」となります。

彼女がこの困難な道を選んだ最大の理由の一つは、「どういう流れで作品が完成していくのか最初から関わってみたい」という純粋な知的好奇心でした。

自分発信で物事を進め、その結果の全責任を負う。それは、かつて「絶対に作詞なんてできない」と強い自己不信を抱いていた彼女にとって、大きな挑戦です。

しかし、彼女の動機は「自分にはできる」という自信ではなく、「これをやらなければ理解できない」という探求心にありました。

youstiのデビューは、キャリアの一手というよりも、創作の本質と自分自身の内面を問う、芸術的な探求行為そのものなのです。

作詞家「yousti」の哲学 – “ありのままの自分”を紡ぐ言葉

ここからは、youstiの創作活動の核心である「作詞」に焦点を当てていきます。彼女が紡ぐ言葉には、どのような哲学が込められているのでしょうか。

「自己問答」から生まれるリアルな歌詞

「想像力が乏しいから、絶対に作詞なんてできない」。

そう固く信じ込んでいた彼女が編み出したのは、「自己問答」というユニークな作詞法でした。

あるテーマについて、自分で自分にQ&Aを作成し、問いかけ、内省し、出てきた答えをそのまま歌詞の素材として使う。

この手法で作られた歌詞はフィクションではなく、彼女自身の極めて個人的な独白の断片となります。

作詞初挑戦となった楽曲「day dreamer」には、youstiが掲げる“現実逃避”や「逃げても大丈夫」という思いが込められており、会見では「どこから取りかかっていいのかわからなくて、3週間くらいかけて書きました。」

引用元:音楽ナタリー

リード曲『day dreamer』の一節である「立ち止まると取り残されてくし 甘えてるだけなんて罪悪感?」は、まさに彼女の内なる自問自答の声そのものだと言えます。

だからこそ、yousti作詞は、聴く者の心に深く、そしてリアルに突き刺さるのです。

“無理にがんばらない” – 不完全さを受け入れる美学

youstiのデビュー作を貫く中心的なテーマは、「ネガティブな部分も受け入れながら、それでもいっか」と、ありのままの自分を肯定する姿勢です。

これは、常に強く完璧であることが求められた櫻坂46時代の経験と、鮮やかな対比をなしています。

アイドル時代には決して語ることのなかった「自己肯定感の低さ」といった弱い部分。youstiとしての活動は、これまで隠してきたその脆弱な側面を、初めて音楽という形で表現する試みなのです。

楽曲『Fake-Perfect』は、完璧を装うことで自分を守ろうとする人物の強さと脆さを描いています。これは、かつてグループの「精神的支柱」として振る舞わなければならなかった彼女自身の経験が、芸術的に昇華されたものと言えるでしょう。

完璧ではない自分、ネガティブな感情を抱える自分を恥じるのではなく、それもまた自分の一部として抱きしめて生きていく。

youstiの音楽は、現代を生きる多くの人々の心に響く、優しくも力強いメッセージを発信しています。

1stミニアルバム『yousti』に込められた想い

デビュー作『yousti』は、彼女の創作哲学が詰まった珠玉の作品集です。

トラック名歌詞のテーマ概要
day dreamer立ち止まることへの不安や焦燥感、他者と比較してしまう罪悪感。
Fake-Perfect完璧を装うことで自分を守ろうとする人物の、強さと脆さ、その葛藤。
one-sided love片思いの切なさやもどかしさを綴る、繊細な心理描写。
Take Me Away現実から逃避したい願望と、それに対するポジティブな肯定感。
Shabon儚く消えてしまう泡のような感情や関係性。
second choice恋愛における二番目の選択肢という立場から生まれる複雑な心情。
Sing for you聴き手に対して、直接的に語りかけるような温かいメッセージ。

リード曲『day dreamer』のダンスパフォーマンス映像からもわかるように、櫻坂46時代に培った身体表現も、youstiの世界観を構築する上で不可欠な要素です。

歌詞で内面を吐露し、ダンスでその感情を視覚的に増幅させる。この二つの融合が、彼女の音楽に多層的な深みを与えています。

まとめ:支柱から詩人へ – youstiの物語は始まったばかり

ソロアーティスト・youstiの誕生は、小林由依のこれまでのキャリアの集大成です。

櫻坂46で培った卓越したパフォーマンス能力を土台に、作詞という新たな手段で手に入れた「弱さをさらけ出す勇気」を統合した、見事な「総合芸術」と言えるでしょう。

グループの「支柱」から、自らの言葉を紡ぐ「詩人」へ。この変容は、彼女の芸術家としての強さと、本質的な自己表現への渇望を証明しています。

youstiの物語は、まだ始まったばかり。

彼女がこれからどんな言葉で、どんな世界を見せてくれるのか、期待しかありません。小林由依という表現者の歩みは、真の芸術とは、私たちの弱さや脆さを原動力として生まれるのだということを、力強く示してくれています。

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この記事を書いた人

エンタメやアイドルが好き!
ラジオ・ドラマ・ニュースで気になったものは「とにかく調べる」
そうしているうちに"好き"がより加速する体験をしてほしいと思っています!

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